新年あけましておめでとうございます。
昨年は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、大阪・関西万博が大阪市の人口島「夢洲」で開催され、165の国・地域・国際機関がパビリオンなどでそれぞれの文化や技術を紹介し、世界中から訪れた人たちが交流しました。約2,557万人が入場し、当初心配していた大会運営費も黒字となり、大会は無事、成功裏に終了しました。私も夏の暑い最中でしたが2日間滞在し、壮大な大屋根リンクの下で涼を取りながら素晴らしい各国の展示を堪能することができました。準備時間が足りない中でご苦労された大会関係者の方々に敬意を払うと共に、約束したことを確実にやり遂げていく日本の力に改めて感銘した次第です。
一方、世界に目を向けてみますと、世界経済は米国のトランプ関税に翻弄され予断が許されない状況が続いております。また、ロシアによるウクライナ侵攻およびイスラエルと中東ガサ地区との戦争状態も終息する兆が見えず、国際情勢はしばらく混沌とした、先が見通しにくい状況が続いており、一刻も早く平和な社会が戻ってきて欲しいものです。
さて、昨年1月にJFCAの発案が発端となり、日米欧のセラミックス工業団体賛同のもと、各国のセラミックス学会が加盟する国際セラミック連盟(ICF)へ、毎年3月12日を「国際セラミックスデー(International Day of Ceramics ; IDOC)」とすることを提案し了承されました。3月12日は、1年(グレゴリオ暦)のうち71日目に当たる日で、これは「Ceramics」のアルファベット順にC(3番目)E(5番目)R(18番目)と最後のSまでの数字を足すと71になることに起因しています。今年は同日に理事会の開催が予定されており、当協会が世界のセラミックス業界を引っ張っていけるよう、士気を高めたいと思います。
また、今年はJFCA設立40周年を迎える年にあたります。本年11月に、長きにわたりファインセラミックス業界並びに関係省庁の皆様にサポート頂いてきたことへの感謝を表明するとともに、さらなる発展・成長に向けて歩んでいくための出発点として、記念式典を開催する予定です。
今回の記念式典は、ファインセラミックス産業の発祥の地が中部地域であることを鑑みて、名古屋で開催する予定ですので、皆さま奮ってご参加お願いします。
JFCAは、今後さらに発展していくグローバル市場を睨んで、①世界ルールをリードする、②市場をリードする、③材料をリードする、という3本の矢でファインセラミックス産業の基盤整備と振興を図ってきました。現在、日本のファインセラミックス産業の生産額は世界市場の40%を占め、国内生産額は約4兆円レベルに達してきおります。
ファインセラミックス製品は自動車、電子機器、半導体をはじめとして宇宙、航空、防衛など幅広い分野において活用されており、これらを支える必要不可欠な素材として日本の技術が世界をリードしてきております。今後、グローバル市場では年率数パーセント成長が続くと予想されており、2030年には5兆円規模になる見通しです。会員皆様の揺るぎない努力の積み重ねで、是非日本のファインセラミックス産業が更に発展することを願っております。
昨年はJFCAの活動の主軸の1つであるファインセラミックス国際標準化事業の活動が本格スタートし、7月に各テーマの第一回委員会(標準化予算の執行)が開催されました。標準化を推し進める中で「世界ルールをリード」することはファインセラミックスの市場を獲得する源泉であり、会員皆様の幅広いご協力とご支援をお願いしたいと思います。
また今後の世界はAIの急速な発展により、大規模なデーターセンターの建設と電力供給網の整備が必要となります。そのため各国では低電力で瞬時に大量のデータ処理ができる量子コンピューターの開発競争が繰り広げられています。日本でも国をあげて理研や産総研のG-QuATで先頭に立って量子・AI融合技術の研究開発に取り組んでおります。数種類ある量子コンピューター技術の中でも、光量子コンピューターの開発においてはファインセラミックスの技術開発が必須であり、JFCAとしても注力していきたいと思います。
本年も世界情勢は引き続き長引く戦争や地政学的リスクの中で、サプライチェーンの再構築やエネルギー安全保障の問題で不安定な状況が続くものと思われます。特に環境問題ではカーボンニュートラルの実現に向け、ファインセラミックス業界の果たす役割は大きく、経済産業省をはじめとする関係省庁、団体のご指導を頂きながら、会員会社の皆さまとともに、微力ではございますが最大の努力をしてまいる所存です。本年も、皆様からのより一層のご支援を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

