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シナジーセラミックスのデータシートに関するコメント
長岡技術科学大学 植松敬三先生のコメント
155 透光性セラミックスの焼結方法
透光性セラミックスは、種々のセラミックスの中でも特に焼結が難しいものであるが、本発明では焼結時間が短くかつ安価で低温での減圧焼結と高温での加圧酸素雰囲気中焼結の2段階焼結の条件を見いだしている。本発明では簡易な装置で焼結で高透光性、高密度のセラミックスを比較的に簡単な方法で合成することができるものである。透光性セラミックスの新規な焼結方法を提供するもので、圧電セラミックス、透光性セラミックス、光学部品等の製造に適用できるものである。
137 高靭性窒化ケイ素セラミックスの製造方法
高靱性のセラミックスには微構造制御が重要だが、本発明では窒化ケイ素粉末、焼結助剤、窒化ケイ素柱状粒子からなる混練物を用い、押出成形、テープ成形等、せん断力を加えた成形法により原料中の柱状粒子を一方向に配向させ、なおかつ焼成時に柱状粒子を配向させることによって、配向した柱状組織を有する窒化ケイ素材料を製造している。配向した柱状組織により優れた強度、靭性が発現している。本材料では、窒化ケイ素自体が持つ耐食性、耐熱性、耐摩耗性等の長所に加え、高温部材として優れた信頼性を持つ材料が得られる。
39 炭化珪素セラミックス及びその製造方法
炭化珪素など高い高度をもつ材料では、材質特性が優れているとともに、ニアネット成形性は実用材料の製造上重要である。本発明では、10nmから1000nmの粒径の炭化珪素結晶群とそれより大きな粒径の炭化珪素結晶群からなり、Si、C、O以外の元素が少なく、原子状Siを含有しない焼結体からなる炭化珪素セラミックスをニアネット成形により製造する。炭化珪素、炭素、ポリカルボシランの混合成形体を仮焼し、溶融珪素を溶浸させて作製する。炭素連続繊維、炭化珪素繊維または炭化珪素ウィスカを含有してもよい。
750〜1573Kの中間温度での耐熱性に優れ、靭性及び1500℃以上の温度での高温強度に優れたニアネットシェイプ性を有する炭化珪素セラミックスが得られる。珪素、非晶質炭素、モリブデン、タングステン等の酸化しやすい元素を焼結体が含
有していないので、中間温度での耐熱性の低下がなく、高温強度及び靭性に優れる。
またニアネットシェイプ性を有する。
202 複合気孔構造を有するセラミックス多孔体の製造方法
多孔体の新しい製造法を示すものである。本発明では水系のセラミックスラリーもしくは焼結助剤として働く元素を含む水溶液を加えたスラリーを用いて、一方向に凍結させた後、真空乾燥して昇華痕である気孔を形成させ、得られた多孔質成形体を焼成することによって巨視的に配向した気孔とその内壁に微細孔をもつセラミックス多孔体を製造する。
本発明は気孔の形成が成形体作製段階で終了しているため焼結雰囲気等を問わず、いかなるセラミックスの製造にも適用可能である
東京大学 宮山勝先生のコメント
73:応力発光材料及びその製造方法
150:圧電体による発光素子の駆動方法
151:力で発光する無機薄膜及びその製造方法
156:発光体の製造方法
159:発光材料、その製造方法及びそれを用いた発光材料
これらの特許は、構造材料が応力、衝撃、摩擦力、加速度などの機械的外力を受けた際に、その材料に密着させた薄膜あるいは構造材中に分散させた発光材を発光させて機械的外力を検知する材料系やその製造方法に関するものである。従来、このような応力・歪みの検知には出力として電気信号が用いられているが、外部電源や複雑な電子回路が必要であり、広い領域での応力分布やその経時変化を知りたい場合には適していなかった。光信号の利用は、それらを容易にするばかりでなく遠隔センシングも可能にする。各種の応力・歪み制御システムに有効であり、また、将来的な光情報利用技術とのマッチングにも適するであろう。
65:柔軟性を有する三次元光導波路
66:光デバイス
無機・有機ハイブリッド材料の特性として、その機械的特性(特に柔軟性)や光特性(屈折率、透光性など)を広範囲で制御できることが挙げられる。上記の特許は、低ヤング率、透明、薄膜化可能な無機・有機ハイブリッド材料を用いた光導波路に関するもので、65は柔軟性構造により空間的余裕がない個所での光接続を可能にするもの、66は応力により変形させ屈折率など光伝播特性を制御するものである。無機物と有機物の特性を融合させたこのような材料系は今後ますます用途が広がるであろう。なお、関連するハイブリッド材料の製造方法に関しては、データシート62、126、127、130の特許などがある。
東京工業大学 安田公一先生のコメント
『シナジーセラミックス』プロジェクトの研究開発成果の中で,将来性のある特許を,私の独断と偏見で選んでみました。
シート番号135
高靭性炭化ケイ素セラミックスの製造方法 高次構造制御という『シナジーセラミックス』の基本理念を最もシンプルかつ効果
的に実現させた技術的内容を含むものだと考えられる.すなわち,炭化ケイ素粉末・焼結助剤・炭化ケイ素柱状粒子からなる混練物に,せん断力が負荷されるような各種の成形法を適用することにより,成形体の時点における柱状粒子の配向性を制御し,さらに,焼成時にも柱状粒子の配向性を制御するというものである.これにより,配向した柱状組織を有する炭化ケイ素材料が製造でき,優れた強度・靭性が発現するとのことである.データシートには,十分配向させた組織の概念図が掲載されているが,例えば,配向性を途中段階に留めたものや,あるいは,厚さ方向で配向性が変化するという傾斜機能化などの応用展開も,将来,考えられるのではないだろうか。
シート番号77
複合セラミックスおよびその製造方法 『シナジーセラミックス』のもう一つ大きな特徴は,複数の特性の両立にあると考えられる.この特許では,鉄化合物を含む窒化ケイ素仮焼結体に,鉄・ボロンなどのアルコキシド溶液,あるいは,硝酸塩などの溶液を含浸させ,それを焼成することによって油吸着相である鉄化合物と,固体潤滑性を持つ窒化ホウ素を窒化ケイ素内に複合化させる技術である.その結果
,摩擦係数が従来の半分になると共に,強度自体は,高強度を維持することが実現できるとのことである.ともすると,ある特性を向上させると,他の特性が落ちてしまうことをよく経験するが,この技術では,摩擦特性と強度特性の両立が図られている.強度が高い焼結体が得られているので,例えば,摺動部品としての形状や大きさを小型化するとか,あるいは,この技術そのものをコムティング層形成技術にまで発展させるようなことが,将来,考えられるのではないだろうか.
以上
東京工業大学 安田榮一教授のコメント
77 複合セラミックス及びその製造方法
78 固体潤滑性を有する低摩擦非酸化物セラミックスとその製造方法
セラミックスは他の材料に比べて摩耗に強いが、摩擦係数が低ければ低い
ほど回転部材等では有効である。 また、高温では油による潤滑が出来ないため低摩擦係数のセラミックスが期待されている。
本特許は、固体潤 滑性を有する金属酸化物や油吸着性を有する物質を窒化ケイ素等の非酸化物セラミックス中に混合する手法に関する特許である。
簡単に述べると、非酸化物の仮焼体にモリブデンやホウ素、鉄等のアルコオキサイドあ
るいは硝酸塩等の形で含浸後本焼成して緻密で強度の高い焼結体を作る方 法で、これにより材料そのもの摩擦係数を数分の一に低減できる。
80 三次元形態計測方法
これまで、不透明な固体材料の微構造は研磨面あるいは破断面の2次元的
な情報でしかな かった。 この特許は、一定間隔で試料表面を逐次除去した複数の二次元情報を繋ぎあわせることにより3次元的な組織解析を可能ならしめる方法である。
表面除去方法としては、イオンビーム照射によるものが有効である。
96 窒化アルミニウムウィスカーの製造方法
窒化アルミニウムは高熱伝導性で且つ電気絶縁性の高いセラミックスとし
て知られている。 ウィスカーは、アスベストと類似の形態であることから発ガン性が危惧さ
れており、これ 迄製造していたSiCメーカーも製造を止めつつある。 しかし、ウィスカーを撒き散らす可能性の無い製品に適用する限りその
心配はない。 例えば、力学的特性を必要とし、且つ電気絶縁性を要求され
る半導体の放熱板等への利用が期待される。 また、これ迄のSiCウィスカー等の製造では、1400℃以上の高温を必要としたが、此の方法は650℃と言う際めて低い温度で合成できるという特徴を有する。
九州大学大学院 総合理工学研究科 阿部弘教授のコメント
平成6年から開始された通商産業省・工業技術院・産業科学技術研究制度による「シナジーセラミックス」の研究開発成果
は、550件を超える研究論文の発表や200件に及ぶ特許出願で第1期を終了し、その成果
は国の内外において高い評価を得てきた。
現在第2期の研究が精力的に進められているところであるが、関係の方々にはこのような成果
を広く普及し、社会と産業の発展に役立てたいとの強い願望がある。本ホームページにあるように、シナジーセラミックスの成果
普及用データシート集には第1期の特許がほぼ全て収録され、特許請求範囲や技術的質問の担当者も記載されている。このホームページが本研究成果
の普及に寄与することを期待してやまない。
高熱伝導セラミックスに関してトピックスを探ると、国立研究所や企業の研究者を発明者として、以下のような特許が紹介されている。いずれも市販の窒化アルミと同等の高い熱伝導性(100〜150W/mK)と窒化ケイ素特有の高強度特性を兼ね備えた典型的なシナジーセラミックスであり、高集積IC基板やエンジン部品等の用途に高いポテンシャルを持つ新規な材料である。
シート番号17:高熱伝導性窒化ケイ素セラミックスならびにその製造方法
シート番号68:高熱伝導性窒化珪素焼結体及びその製造方法
シート番号69:高熱伝導性窒化ケイ素焼結体およびその製造方法
シート番号95:高強度・高靱性窒化ケイ素焼結体およびその製造方法
シート番号139:熱伝導率窒化ケイ素質焼結体およびその製造方法ならびに窒化ケイ素質焼結体製絶縁基板
シート番号140:セラミックスピストン 東京工業大学・応用セラミックス研究所長
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