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「防衛省・安全保障技術研究推進制度」について

 防衛省は、2015年度(平成27年度)から、大学・国研の研究機関や企業の独創的な研究を発掘・育成するため「安全保障技術研究推進制度」を新設した。NEDOが公募する研究開発の防衛版で、デュアルユース技術の研究開発である。これは近年の急速な科学技術の発展で、エレクトロニクス、IT技術等の領域で防衛技術に応用可能な新技術が開発され、民生技術と防衛技術の境目が曖昧になってきている。インターネットやGPSは、逆に防衛技術から民需への転用である。
 初年度の2015年度予算額は3億円で、公募に対して9件(応募:109件)、2016年度は予算6億円に倍増で10件(応募:44件)が採択(大学5件、公的研究機関2件、企業3件)。来年度の予算は18倍増の110億円で、予算が成立すれば応募者にはアクセスしやすくなる。公募は、防衛装備庁が提示する研究テーマ(基礎研究が主体)に対して応募する。研究規模は、1件3,000万円で最長3カ年、外部審査委員により新規
性、革新性、独創性等で採択される。来年度の公募時期は、防衛装備庁の話では2017年3月頃で、研究テーマは毎年更新される。
http://www.mod.go.jp/atla/funding.html

(米国の事情)
 東京に支部をもつ米軍の研究開発調査チームは、日本の大学や企業の研究開発(空軍は基礎研究のみ)に対して研究助成を行っている。空軍は、日本のロボット、レーザー、セラミックスなどの素材に注目し、この6年間に日本の大学研究に、延べ128件、約7億円の資金を提供したと言われる。米国の行政機関は日本のような厳密な各省庁所掌事務分担がないため、大学研究に対する助成も多数の省庁が競合的に実施し
ている。国立衛生研究所(NIH)、.国立科学財団(NSF)、エネルギー省(DOE)、航空宇宙局(NASA)、農務省(USDA)、国防総省(DOD)の6機関で米国政府の基礎研究支出の大半を占める。研究開発費のうち、軍事関連と非軍事の比率は半々で、日本と全く様相が異なる。つまり、軍事関連の研究開発費のうち相当部分が学術研究につながっている訳で、軍事のイメージが日本と大きく異なることに留意する必要がある。
 アメリカは先端技術においてアドベンテージ(世界最高)をもつと言われるが、これは膨大な政府研究開発予算によるものである。米国の軍事技術の研究開発予算は約8兆円、日本の防衛予算は約5兆円(研究開発費は約1500億円)で、研究開発予算を直接比較すると、驚くべきことに日本はアメリカの約2%に過ぎない。





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