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平成28年度第2回イブニングセミナー
明治大 相澤先生

イブニングセミナー(明治大相澤先生)
 10月27日JFCA平成28年度第2回イブニングセミナーがJFCA会議室で実施されました。

 トレンドの話題について理解や議論を深めていただくために、JFCAではイブニングセミナーを開催しています。今回は、明治大学 理工学部 応用化学科 教授 相澤守先生に「バイオセラミックスとその研究展開における2つの潮流」について、ご講演いただきました。

 日本は国家として再生医療を推進しており、人工骨・人工歯、アパタイトなど人体に密接した内容であることも併せて、セラミックス関係者以外からも高い関心がある分野です。しかしながら、薬事法や海外開発動向など難易度の高さも同時に感じ、漠然と敷居が高いと思っているのではないでしょうか。

 「バイオマテリアル」は生体と接して使用される材料のことです。その素材が無機材質の場合、「バイオセラミックス」と呼ばれ、人工骨などとして臨床応用されています。現在、バイオセラミックスの研究は、1) 材料単独でその機能を発揮させる、2) 細胞などと組み合わせてその機能を格段に向上させる二つの方向で展開されています。

 ご講演では、バイオセラミックスについて概説するとともに、前者の例として「ペースト状人工骨の開発」を、後者の例として「組織再生のための三次元足場材料の開発」についてご紹介をいただきました。動画を挟みながら、どのような着想で研究を行い解決に導いていったかをご説明いただきました。相澤先生は穏やか口調ながら「iPS細胞による三次元構造を備えた組織再生へ」「患者さんのもとに届く材料を」「使われてこその材料」と熱のこもった言葉発せられ、この分野にかける意気込みが伝わってきました。

 フリーディスカッションに移ると製品化までのハードルの高さや海外との競争などについて質問が広がりました。バイオセラミックス分野への関心の高さを感じさせるセミナーとなりました。

 最後になりますが、相澤先生とご参加いただいた皆様方に感謝をいたします。





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