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平成30年度第1回見学会
陸上装備研究所

陸上装備研究所見学会
 7月27日JFCA平成30年度第1回見学会が、防衛装備庁陸上装備研究所(神奈川県相模原市)で実施されました。この見学会は交流企画委員会の企画で24名の参加者がありました。

 防衛装備品の適切な開発、生産、維持整備は、安全保障上、極めて重要であり、防衛装備庁がその任を追っています。その中でも陸上装備研究所は、火器、弾火薬類、耐弾材料、耐爆構造、車両、車両用機器、施設器材などの調査研究を行っています。CBRN対応遠隔操縦作業車両システムの環境認識向上技術の研究、火砲システムの動的威力の研究、車両用多種環境シミュレーターの研究などの防衛装備品に必要不可欠であり、かつ最先端の研究を進めています。
 
 見学会当日は、交流企画委員会安富委員長による所長への表敬訪問が行われました。その後で、総務課の司会進行により、最初に研究企画官からご挨拶とともに、映像を中心とした陸上装備所の概要及び研究内容についてのご紹介をいただきました。
 研究所内の見学は、引き続き研究企画官のご説明により展示室から始まりました。各種材料を比較した装甲構造、防弾チョッキなどセラミックスに関連のある展示が目を引きました。
 次に動力装置試験室に移動して機動技術研究部からハイブリッド動力システムの研究についてご説明がありました。装軌車輛にハイブリッド動力システムを搭載することにより、燃費が向上するだけでなく、周囲に気が付かれずに静粛に走行可能であるという装備ならではの視点から解説をいただきました。
 次に車両システム実験室にて、システム研究部から軽量戦闘車両システムの研究についてご説明を受けました。軽量戦闘車両システムのコンセプトモデルによる数値シミュレーションと、試験砲・モータなどの試作を組み合わせることで実現性を確認しており、実際に車両内部を見ながら研究の内容を伺うことができました。
 陸上装備試験室では、弾道技術研究部から、まず人員防護解析技術について説明を受けました。防弾チョッキの被弾時の衝撃による人体への影響を解析するために、人体模擬模型と数値モデルにより研究を行っており、人体組織内の衝撃を効率的に低減する材料技術の構築を目指していることが理解できました。また、高速弾撃試験装置・超高速飛しょう体発射装置により、弾が各種材料に当たった場合の状態について解明を行う研究について説明を受けました。
どの試験室・実験室でも、車両やモデル、実験装置を前にして、予定時間が過ぎても質問が途切れることなく寄せられ、注目度の大きさが表れていました。

 見学終了後には、各研究部から3~4名の方々にご参加いただいて、全般を通しての質疑応答が行われました。色々な観点の質問があり、参加者の方々の関心が多方面に渡っていることが伺えました。シーズやニーズの考え方、新しい材料の調達方法、知財に対する取り組みなど、興味深い質問も寄せられました。

 最後になりますが、見学会開催にご尽力いただきました皆様、当日ご対応いただいた皆様、見学会にご参加いただいた皆様のご協力に、心より感謝いたします。
これからもタイムリーで皆様の関心にそった見学会を進めてまいります。





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