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令和元年度第1回見学
東京エレクトロン宮城株式会社

190605東京エレクトロン宮城
6月5日JFCAの2019年度第1回見学会が、東京エレクトロン宮城株式会社(宮城県黒川郡大和町)で実施されました。この見学会は交流企画委員会の企画で32名の参加者がありました。

今回、工場の紹介ビデオで全体概要の説明、生産棟と開発棟の見学、エッチング装置の概要と材料への要求に関する講演をして頂きました。

1 東京エレクトロン株式会社、及び東京エレクトロン宮城株式会社
 東京エレクトロン株式会社(以下TEL)は、半導体製造装置およびフラットパネルディスプレイ製造装置を開発・製造・販売しており、この分野でのシェアは世界第3位で、売上高1兆2782億円(2019年3月期)の規模です。今回見学させて頂いた東京エレクトロン宮城株式会社(以下TML)は、プラズマエッチング装置の開発・製造を担当しており、2011年8月から工場の操業を開始しています。

2 工場見学(生産棟、物流棟、開発棟)
 生産棟、物流棟、開発棟の見学を行いました。生産するエッチング装置(システム)は、ウェーハを処理するプロセスモジュールとウェーハをプロセスモジュールへ搬送する2つの搬送モジュール(大気下・真空下)を持ち、一つのシステムに複数のプロセスモジュールを配置できる構造となっています。生産棟は、間仕切りのないクリーンルームとなっており、一定のタクトタイムで各工程を同期化させた生産を行うことで、組付け部品の生産開始、部材調達の精度の高い計画が可能となり、必要以上の在庫が発生することが無くなったとのこと。物流棟では、一部、自動倉庫を活用されています。工場全体として、手作業がメインであるが人手不足から物流倉庫から自動化を拡大していくとのことでした。 
 開発棟は、各顧客の要求を満たすエッチング・プロセス開発を行うエリア、その開発結果を評価するエリア、次世代の開発を行うエリアなどで構成されていました。半導体デバイス構造の差などにより、顧客毎にエッチングに対する要求が異なるため、客先要求に合った条件(レシピ)をつくりあげることが受注につながるとの説明がありました。

3 講演 “TELのエッチング装置、セラミックス部品の今後について”
半導体製造装置の市場規模は2014年当時400億ドル程度であったのが2018年には600憶ドルになり、2019年度は停滞が予測されるものの、IoTや5Gなどの普及で長期的には更なる拡大が見込まれるとのこと。その拡大する市場の中でも、半導体デバイスの3D化が進みエッチングする穴の深さが深くなるため、エッチング装置の市場は特に拡大が見込まれるとの説明がありました。
 今後のエッチング装置においては、高パワー化が見込まれており、材料に対しては、低誘電損失(バラツキの低減)、高耐熱、低汚染、低消耗、低パーティクル化など、をお願いされました。その中で低消耗に関しては、RFパワーとガス比率をパラメータにケミカルとイオンエッチングのレートを評価されており、サンプルを提供頂ければ、評価しますとの説明がありました。またエッチング装置の新規開発は短期間で材料評価を行うため、使用する部品は発注から短納期で納入して欲しいとのこと。セラミックの焼結とかがあり難しいようであるが是非にとお願いされました。
 講演の最後は、“日本発、World WideでNo.1の技術を作りたい”との言葉で締めくくられており、差別化するためにセラミックへの特性や納期に対する期待が大きいと感じました。
 
最後になりますが、見学会開催にご尽力頂きました皆様、当日ご対応頂いた皆様、見学会にご参加頂いた皆様のご協力に心より感謝いたします。 これからもタイムリーで皆様の関心にそった見学会を進めてまいります。





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