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令和元年度第2回見学会
防衛装備庁 艦艇装備研究所

20191107防衛装備庁鑑定装備研究所見学会


11月7日にJFCAの2019年度第2回見学会が、防衛装備庁 艦艇装備研究所(東京都目黒区中目黒)で実施されました。この見学会は交流企画委員会の企画で43名の参加者がありました。


 今回、艦艇装備研究所全体及び、現在建設中の岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称)の概要説明頂いた後、施設見学(展示室、大水槽、フローノイズシミュレーター等)をさせて頂きました。また今回新たな取り組みとして、見学先(防衛装備庁 艦艇装備研究所)の方(約10名)に向け、セラミックスの動向についてJFCAより説明させて頂きました。


1 防衛装備庁 艦艇装備研究所
防衛装備庁は2015年に発足した防衛省の外局で、防衛装備品等についての研究開発、調達、補給及び管理の遂行並びに国際協力の推進を任務とされています。また防衛装備庁には艦艇装備研究所の他に、航空装備研究所、陸上装備研究所、電子装備研究所、先進技術推進センターがあり、その中で艦艇装備研究所は船舶、船舶用機器、水中武器、音響器材、磁気器材及び掃海器材のシステム化技術とこれらの要素技術について研究を行っています。


2 講演(艦艇装備研究所、及び岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称)の概要説明)
 艦艇装備研究所は、対潜戦能力評価やソナー研究を行う”海洋戦技術研究部”及び、無人走行の研究や魚雷・機雷の研究を行う”水中対処技術研究部”、流体や構造、動力の研究を行う”艦艇・ステルス技術研究部”、水中の電磁気を研究する”川崎支所”で構成されています。研究拠点は今回見学させて頂いた目黒地区以外に、久里浜地区、川崎支所、大瀬実験所(静岡県沼津市)があり、今回あらたに岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称:山口県岩国市)が建設中です。
 岩国海洋環境試験評価サテライト(仮称)は、実運用環境を模擬し意図した海境条件での再現性ある試験評価が可能であること、UUV(自律型無人潜水機:Unmanned Underwater Vehicles)の自立性・信頼性及び、音響センサの高精度化が可能となるなどの特徴を有しており、令和3年度開設予定との事でした。
艦艇装備研究所の研究の一例として目標を継続的に探知・追尾することが可能なアクティブソナーの研究や、燃料電池による無人水中航走体用発電システムの研究などが紹介されました。


3 施設見学(展示室、衝撃・耐圧実験棟、大水槽、フローノイズシミュレーター)
展示室では、舵など潜水艦関連、三胴船など水上艦艇関連、水中通信、魚雷や無人機、UUVなどの展示がありました。水中での通信は光や電波では通信が困難なため圧電素子を利用したソナーが主に用いられており、近年では広帯域連続波を用いたアクティブソナーの送受波方式と信号処理方式により、継続的に目標探知・追尾できる研究などが行われているとのことでした。 
大水槽は長さ245m(幅7m)を見学しました。船舶は飛行機や車体と異なり空気と水の界面を走行する為、条件が複雑になり模型試験が重要になるとのこと。本水槽試験での結果をもとに必要な速度に対してどの規模のエンジンを搭載するかなどを決定しており、戦艦大和も本設備で取得したデータに基づき設計されたとのことでした。
フローノイズシミュレーターは、大型バス1台分サイズの計測胴を有し、その中を流れる水は低雑音かつ整流にすることができる装置で、水の速度は最大14m/s(時速50km)まで発生でき、ピエゾの水中マイクロホンを使い船舶や装備品、プロペラから発生するノイズの影響を見ているとのことでした。その他、衝撃や耐圧実験棟を見学しました。


4 JFCAからの講演 “セラミックスの動向について”
見学先(防衛装備庁 艦艇装備研究所)の幹部の方に、三大材料のひとつであるセラミックのことをより深く理解してもらうことを目的に、JFCA矢野専務理事より”セラミックスの動向について”と題して講演させて頂き、活発な質疑を頂きました。


 最後になりますが、当初予定よりも大幅に見学希望者が増加したにも関わらず気持ちよく受け入れて頂き、当日も丁寧な対応を頂いた防衛装備庁の皆様、今回の見学先を提案頂いた交流企画委員会の皆様、見学会にご参加頂いた皆様のご協力に心より感謝いたします。これからもタイムリーで皆様の関心にそった見学会を進めてまいります。







一般社団法人日本ファインセラミックス協会:ページの先頭へ戻る